みなさんは「 旅行キャンセル保険 」というものをご存じでしょうか?
インターネットで旅行ツアーや航空券を早期に予約する機会が増えています。
しかし、早期予約の欠点はキャンセル手続きがめんどうくさいこと。
もし旅行をキャンセルした場合、やむをえない理由であっても高額なキャンセル料が発生します。
最近では新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど感染症の影響で旅行を中止または延期せざるをえない状況が多いかと思います。
今回はそんな時に活躍する「 旅行キャンセル保険 」について深く掘り下げていくので、ぜひ最後までご覧ください!
1旅行キャンセル保険とは?
旅行キャンセル保険とは、旅行開始前のキャンセルに備える保険です。
旅行当日~2日前などに宿泊施設やツアー、新幹線、飛行機などをキャンセルすると高額なキャンセル料が発生します。
しかし、旅行キャンセル保険はこのキャンセル料を補償してくれます。
一般的な海外・国内旅行保険は、旅行開始日から終了日までに何かあった時に補償してくれるもので、それ以外の期間は補償されません。
しかし、旅行キャンセル保険は旅行中ではなく、旅行開始前のキャンセル料などを補償してくれます。
そこが一般的な旅行保険と旅行キャンセル保険の違いです。
また、旅行キャンセル保険は独立した保険ではなく、そのほとんどがオプション(特約)の1つとなっています。
ですので、一般的な海外・国内旅行保険に付帯してつけるものです。
さらに、旅行キャンセル保険の名称は各社以下のように少し難しい言葉になっています。
- 損保ジャパン日本興亜「 旅行変更費用補償特約 」オプション型
- ジェイアイ傷害火災保険「 旅行キャンセル費用補償特約 」オプション型
- AWPチケットガード少額短期保険「 トリップキャンセル 」独立型
旅行キャンセル保険は海外旅行保険に「特約」をつけることで追加できる保険
やむをえない理由で旅行を中止せざるをえない状況でも、安心して対応できる旅行キャンセル保険。
旅行キャンセル保険は、一般的に海外・国内旅行保険に「特約(オプション)」としてつける保険ですが、さまざまな種類があります。
それぞれ少しずつ異なるので、詳しく見ていきます。
1.旅行自体のキャンセル費用への備え「キャンセル費用特約」
「 キャンセル費用特約 」とは、本人や家族の危篤・死亡または病気やケガで3日以上の入院になり、旅行をやめなければならない状態になった場合に、キャンセル費用をカバーしてくれるものを言います。
2.飛行機の遅延に備える保険「航空機遅延費用保険」
「 航空機遅延費用保険 」とは、主に飛行機の欠航や遅延によって旅行を中止せざるをえなくなった時におりる保険のことを言います。
飛行機の着陸地変更や乗り継ぎがうまくいかなかった場合、出発予定時刻から6時間以内の代替便にも乗れなかった場合が対象です。
この保険は宿泊代や食費代、交通費まで負担してくれます。
3.突然帰国しなければいけなくなった時への備え「旅行変更費用特約」
旅行の途中で家族の病気や自然災害・紛争などに出くわしてしまい、突然帰国しなければならなくなった場合に、旅のキャンセル費用を負担してくれる保険のことを「 旅行変更費用特約 」と言います。
2一般的な旅行保険と旅行キャンセル保険の違いとは?
一般的な旅行保険と旅行キャンセル保険の違いは、保険対象期間にあります。
一般的な旅行保険は旅行開始日から終了日までに何かあった時に補償してくれるもので、それ以外の期間は補償されません。
しかし、旅行キャンセル保険は旅行中ではなく、旅行開始前のキャンセル料などを補償してくれます。
旅行の当日キャンセルは「キャンセル料」が割高
キャンセル料は、「 いつキャンセルするか 」によって大きく値段が変わってきます。
以下の表は一般的な宿泊施設や旅行ツアーなどのキャンセル料金を表しています。
キャンセル日 | キャンセル料金 |
---|---|
旅行当日の30日以前 | 無料 |
旅行当日の3~30日前 | 旅行代金の20% |
旅行当日の1~2日前 | 旅行代金の50% |
旅行当日もしくは連絡なし | 旅行代金の100% |
当日が近づくにつれてキャンセル料は高くなっていってますよね。
中でも当日キャンセルは100%のキャンセル料を設定しているところが多く、とても割高です。
旅行キャンセル保険の保険料の相場はどれくらい?
旅行キャンセル保険の保険料は、保険会社が設定しているプランや、補償上限金額によって大きく変わってきます。
例として、AWPチケットガード少額短期保険「 トリップキャンセル 」の保険料を見てみましょう。
-
- 補償100%プラン(全額補償) → 1,510円
- 補償50%プラン → 830円
このように、旅行代金の総額や、補償プランによって保険料は違ってきます。
3旅行キャンセル保険のしくみを紹介!
ここでは、AWPチケットガード少額短期保険「 トリップキャンセル 」を参考に、旅行キャンセル保険のしくみを理解していきましょう。
トリップキャンセルは旅行のキャンセル料金を負担してくれますが、全てのキャンセルに対応しているわけではありません。
対応しているものは以下の通りです。
-
- 本人の入院や通院
- 家族の入院や通院
- 旅行当日の交通機関の遅延や欠航
- 本人または家族の死亡
したがって、寝坊やスケジュールミスなど自己都合のキャンセルは保険がおりないので注意してください。
また、保険金をもらうには以下の書類が必要になります。
-
- 保険金請求書
- キャンセル理由の証明書
- 旅行代金の総額が確認できるもの(予約確認書や支払明細書)
- キャンセル料が発生したことが確認できる書類
個人旅行よりもツアーが安心
個人旅行は、自由なプランが組めて価格も低くおさえられるが、宿泊施設や旅行ツアーなどキャンセル不可なものが多いです。
その点、大手の旅行会社なら不測の事態が起こっても手厚くフォローしてくれますし、今回の新型コロナウイルスに関しても特別対応を設けているところがほとんどです。
クレジットカードの旅行損害保険を確認しておこう
楽天カードなど旅行損害保険が無料でついているクレジットカードもありますが、キャンセル保険まで適用されるかどうかはクレジットカードの種類や会社によって異なります。
例えば、AMEXのゴールド・プラチナカードは、「 キャンセルプロテクション 」と呼ばれる旅行キャンセル保険がついています。
お手持ちのクレジットカードはどうか確認してみましょう。
4新型コロナウイルスでも「旅行キャンセル保険」は使える?
「 旅行キャンセル費用特約 」「 旅行変更費用特約 」のどちらかに事前加入しておけば、保険は使えます!
新型コロナウイルスは感染症もしくは病気として扱われるので、「 やむをえない理由 」に該当します。
自分が新型コロナウイルスに感染してしまったら?
自分や旅の同行者が新型コロナウイルスに感染した場合、キャンセル料が保険でおります。
あくまでキャンセル保険なので、治療費などは負担されないことを覚えておいてください。
家族が新型コロナウイルスに感染してしまったら?
家族が新型コロナウイルスに感染した場合も、保険がおります。
家族が新型コロナウイルスに感染して入院もしくは危篤・死亡状態になった場合に、「 やむをえない理由 」とみなされます。
政府により「渡航中止勧告」が発令されたら?
新型コロナウイルスの影響により、政府が渡航中止勧告(レベル3)を出した場合も保険がおります。
また、退避勧告(レベル4)が出された場合も同様に保険がおります。
新型コロナウイルスの影響で飛行機が運休、又は欠航してしまったら?
「 航空機遅延費用特約 」に加入していれば、新型コロナウイルスの影響で飛行機が運休または欠航しても保険はおります。
5おまけ:新型コロナウイルスに感染してしまったら海外旅行保険は使えるの?
海外旅行中に新型コロナウイルスに感染した場合、海外旅行保険はおります!
しかし、一定の要件があるので詳しく見ていきましょう。
新型コロナウイルスに感染してしまい、海外での治療が必要になってしまった場合
新型コロナウイルスに感染してしまい、海外での治療が必要になってしまった場合、「 疾病費用 」という補償でまかなわれます。
この保険金を受け取るには条件があり、「 滞在期間中に感染・発病して、保険の契約期間終了後30日以内に治療を開始した場合 」という条件です。
インフルエンザウイルスなど一般的な感染症では、保険の契約期間終了後72時間以内なのですが、新型コロナウイルスだけは特別措置で30日以内と拡充されています。
例えば、イギリス旅行中に新型コロナウイルスに感染したとします。
そしてすぐに日本に帰国し、帰国後30日以内に治療を開始した場合は、保険がおりるということになります。
新型コロナウイルスに感染してしまい、死亡してしまった場合
新型コロナウイルスに感染してしまい、万が一死亡してしまった場合、「 疾病死亡 」という補償でまかなわれます。
海外旅行中または帰宅後30日以内に新型コロナウイルス(肺炎)が原因で死亡した場合に限ります。
新型コロナウイルスに感染してしまい、家族が救護に駆けつけた場合
新型コロナウイルスに感染してしまい、家族が海外まで救護に駆けつけた場合におりる補償を、海外旅行保険の「 救護者費用 」と呼びます。
主に家族の交通費に対して保険金が支払われます。
しかし、新型コロナウイルスについては家族へ感染する可能性も高いので、そこは病院や保健所の指示をあおって適切な行動を心がけましょう。
6「旅行キャンセル保険」で不慮のキャンセルに備えよう!
旅行キャンセル保険についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか?
ぜひ旅行キャンセル保険を活用して、不慮の旅行中止に備えましょう!